山菜料理 出羽屋

山の宅配便<5月:たけなわ>

山の宅配便

2025.05.01

山の空気がやわらぎ、木々の間を抜ける風が
どこか爽やかに感じられるようになりました。

春のあたたかな陽射しに誘われて、
山の麓には、日に日にたくさんの山菜が顔を出します。

季節は、待ちに待った山菜の最盛期。

毎朝、山に入る人たちの手から、出羽屋へと届けられる恵みのかたちには、
春の力強さと、移ろいゆく季節の気配が宿っています。

今月の「山の宅配便」のテーマは、「たけなわ」。

ほんの少し前まで、まだほろ苦さの残る早春の山菜が主役でした。
それが今、うど、こしあぶら、たらの芽、山うるい…
香りの豊かな山菜たちへと、移り変わっていきます。

うどの皮をむいたときにふわりと広がる、ほのかに甘い香り。
こしあぶらの、青々とした木の芽のような爽快さ。
たらの芽の、ほんのりと土の香りを含んだ、春の終わりの知らせ。

一口ごとに変わる香りの表情に、思わず手が止まってしまいそう。

5月のセットには、そんな“香りの贈り物”をたっぷりと詰め込みました。
見た目も、香りも、食感も、それぞれに個性をもつ山菜たち。
それらが一堂に会する、年に一度のごちそうです。

あたたかな食卓の上で、ふと山の景色が浮かんでくるような——
五感で楽しむ山の春を、ぜひご堪能ください。