青葉が陽を受けてきらきらと揺れるこの季節、
月山のふもとは、山の恵みを待ちわびた人々でにぎわいを見せています。
旬の山菜を求めて、今年も出羽屋にはたくさんのお客様が足を運んでくださいました。

「今年もこの季節を楽しみにしていたよ」

そんな温かいお言葉を、いくつも、いくつも頂戴しました。

季節のめぐりとともに、お客様の記憶にある“あの味”が戻ってくる。
私たちにとっても、心が満ちる時間です。

そして今、若葉はしっとりとした深緑へ。
今月の「山の宅配便」の主役は、月山筍（がっさんだけ）です。

年に一度、わずか数週間しか味わえない、初夏だけのごちそう。
アクが少なく、身はやわらかく、それでいてシャキッとした歯ごたえ。
焼いたときの香ばしさと、噛みしめるたびに広がる甘みは、日本一とも言われています。

炭火でじっくりと焼けば、そのままでもごちそうに。
天ぷらにすれば、衣の中に春の名残と初夏の香りがとじこめられます。
味噌汁や煮物では、滋味深さが際立ち、
炊き込みご飯にすれば、食卓いっぱいに山の香りが広がります。

私たちが、この土地で生きることを誇りに思えるような、
そんな“月山の味”を、どうぞお楽しみください。