2020.03.08

  • 山ノオト

春のおとずれ

山菜と言えば“春を祝う食”“自然の恵み”などとして広く親しまれ
その風味を珍重されるようになりましたが、
もとは飢えをしのぐための“糧もの”という意味合いが強い食材でした。


私たちの曽祖父が出羽屋を創業した昭和4年頃もまだ、
山菜は“山のもの”と言われ、
決してお客様に出すことのない
お粗末なものとして扱われていたのです。


当時の出羽屋は、
出羽三山へ旅に出る行者様をお泊めする行者宿でしたので
お客様に今のような山菜料理はお出ししておりませんでした。


ところが、
食材と料理を追求したいという若かりし頃の祖父(2代目・佐藤邦治)は
お客様にお出しする味を求め全国を旅し、“あること”に気が付いたと言います。


「自分の家で食べている“山のおかず”が一番おいしい」と。

当時は、「山のものを客に出すなんて、頭がおかしくなったのか」
とも言われていたそうですが、
お客様の口コミで少しずつ全国へと広まり
“月山参詣は、出羽屋の山菜料理”ということで、
“山のもの”から“山菜”と呼ばれるようになり
出羽屋も山菜料理の発祥のお宿として
堂々と山菜料理をお出しすることができるようになったのです。



雪が多い月山エリアでは、
春先から7月まで地元の名人が山菜を採りに山深くまで入ってくださいます。

私たちも時々カゴを下げて山へ入れば、
いつもの緑たちが静かに見繕いをして待っています。


季節のちからをたっぷりと受けとり、
空気の美酒をおっとりと味わい、


五感で楽しむ春の訪れ。


様々なことが起きるこんな時だからこそ、
お料理を通して皆様のお力になれることがありましたら幸いです。




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さまざまな事情があって当館にお越しになれない方向けに、
オンラインショップも開設いたしました。


どうぞご覧ください。

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