山菜料理 出羽屋

【北からの手紙 vol.01】山羊とはるを迎えて

北からの手紙

2026.05.16

北海道・七飯の地で、
山羊とともに暮らし、器をつくり、食べものを育て、
季節の気配を静かに受け取りながら日々を営む、松浦喜英さん。

草のにおい、朝の空気、土の湿り気。
その土地でしか生まれない風景や感覚を、
まるで手紙のように届けていただく小さな連載がはじまります。

 

観光でも、情報でもなく、
誰かの暮らしの温度にそっと触れるような時間。

 

山形の山あいから、北海道へ。
遠く離れた土地の風が、
山ノオトを通してゆるやかにつながっていきます。


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山羊を放牧して、うららかな日差しの下、草地にへたりこむ。

顔を地面に近づけるとムッハーと若草の香り。
山羊たちがむさぼりつく気持ちを体で感じた。

早朝のスジえび漁の後、卵かけご飯を頂いたあとのこの香りは幸せすぎて朝から昼寝したくなる。
青春の香りとはこのことかもしれないと、ボーっと勝手に理解してしまった。

かれこれ山羊と暮らし始めて20数年たってしまった。
山羊のミルクは、クリームシチューやココア、プリン、ヨーグルト、チーズとなって、ここでの暮らしを豊かにしてくれる。
また子ヤギのモチーフに出来た陶器の置物はうちの家計を助け続けてくれている。

山羊はどう思ってるかわからないけれど、勝手に持ちつ持たれつの関係と思っている今日この頃です。